後腹膜腔( こうふくまくくう、英:retroperitoneal space )

 

 

概 要
・領域を構成するもの
・後腹膜臓器一次性二次性
・外膜との関係
参考となるサイト

 

 

【概 要】

以下の左のイラストは第4腰椎の高さにおける後腹膜の領域をピンクで表してみた。腹腔の領域は高さによって収まる臓器が異なるためかなり異なる。

【領域を構成するもの】

以下に後腹膜の領域を構成する要素を一覧にしてみた。

 

前 方
壁側腹膜
腹腔との境界となる
後 方
 腰椎(主にL1〜L5)の椎体前面と椎間円板前面
 大腰筋腰方形筋、腸骨筋
腹横筋筋膜
側 方
筋/筋膜
 腹壁筋群(内/外腹斜筋腹横筋
上 方
 横隔膜には血管や食道が通る裂孔があるため完全、後腹膜を完全に閉じているとは言えない。
下 方
 連続して閉じない

【後腹膜臓器】

  

■ 一次性後腹膜臓器 ■

一次性後腹膜臓器の主な特徴を以下に記す。

・発生時から後腹膜腔に位置し、そこで分化・発達する。

・発生時から外膜で周囲を覆われ、その外膜を介して後腹壁(筋膜がメイン)に固定される。

・前面は壁側腹膜に接している。(二次性後腹膜臓器の壁側腹膜への癒着とは区別したい)

 

以下が一次性後腹膜臓器の一覧になるが、脈管・神経は含めていない。

名 称
可動性
備 考
1
腎 臓

(3~5㎝)

 副腎と一緒に脂肪とともにゲロータ筋膜(腎筋膜)に包まれている。(両者は腎上体隔壁で仕切られる)。後腹壁とは疎性結合組織で緩く繋がる。
2
副 腎
 腎臓とは密接に関係しているが、横隔膜との接続が強いため腎臓ほど可動域はない。
3
尿 管
部位による差あり
 上方は腎臓の動きに合わせて可動域が大きいが、下方にいくにしたがって固定される傾向にある。

 

【血管・神経】

血管
1
2
 総腸骨静脈が第5腰椎の高さで合流
3
 腎動・静脈
 最初から横に走って臓器へ向かう
4
 副腎動・静脈
5
 精巣/卵巣動・静脈
 性腺血管
6
 背中の筋肉を養う血管
神経
1
 腰神経叢
 大腰筋の中や表面を走る股関節・足への神経。大腿神経、閉鎖神経など
2
 脊柱の両脇を重層

 

■ 二次性後腹膜臓器 ■

二次性後腹膜臓器の主な特徴を以下に記す。

・最初は腹腔内臓器として腸間膜を有していたが、背側へ移動する(胎生5週目頃から)。

・胎生12週目頃には臓器の位置はほぼ完成する。

・20週目ころには臓器の前面の壁側腹膜への固定がほぼ完成する。

 (背側は初期のころに存在していた腹膜(漿膜)が退化して外膜となる。

以下が二次性後腹膜臓器の一覧になる。

 
名 称
腹膜との関連性
1

十二指腸

(第2–4部)

 1部は腹膜で覆われ腹腔内臓器みなされることもあるが、腸間膜を欠くため典型的な腹腔内臓器とは性質を異にする
2

 尾部は腹膜で覆われ腹腔内臓器に分類される。

3
 前面・側面が壁側腹膜に覆われる。
4
 前面・側面が壁側腹膜に覆われる。
5
直腸(上・中部)
 上部は前面・側面が、中部は前面が壁側腹膜に覆われる。下部は腹膜下臓器となる。

 

【外膜との関係】

以下、簡単に後腹膜臓器と膜の関係を表にしてみた。

臓 器
腎・副腎・尿管
×
○(全周)
前面のみ
後面のみ
前面一部
大部分
前面一部
大部分

 

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