概 要
位 置
横隔面臓側面
区 分
 (解剖学的区分機能的区分クイノー分類ヒーリー・シュロイの分類
構 造
働 き
脈管/神経動脈/静脈/リンパ管/神経/胆管
関連語句

 

 

・「重量は男1,000~1,300g、女900~1,000g」(日本人体解剖学)

以下は消化器系に属するを簡単に表した図となる。

  

 

以下は「日本人体解剖学」を参考にしたものとなる。

・肝臓は、上腹部および左右の下肋部で、横隔膜円蓋に接着して存在し、その中部は横隔膜腱中心に、後面は横隔膜腰椎部に接する。

・高さ:体位や呼吸運動によって変化し、安静呼吸時でも約2~3㎝移動する。

・肝臓の後面は、第9~第10胸椎の高さに位置し、その最後部は呼吸気時に右側で第5肋間の高さに位置する。

・肝臓の下界(下縁)は、右肋骨弓に沿って前側にみられ、左右の肋骨弓間を右下方から斜めに左上方にのびて、左側の第7肋軟骨に達し、正中線では剣状突起の下方約3横指の位置にある。

体表からみた位置
腹腔と肝臓
 

 

  

以下のイラスト上記の面を色分けしてみたが、参考にできる資料がほとんどなかったため正確性に欠ける可能性がある。

 
前方からみた肝臓
上方からみた肝臓
後方からみた肝臓
下方からみた肝臓 

 

■横隔面(上面)■ 参考:「日本人体解剖学」

【後 面】 

横隔膜の下面に癒着し、その大部分は腹膜を欠いている。

・形状はほぼ三角形で無漿膜野(bare area) とも呼ばれる。

無漿膜野はほぼ三角形で肝冠状間膜三角間膜で境される。

見られるもの:

【上 面】

横隔膜に接する凸面で、特に右半分は顕著となる。

・体の正中線に一致してのヒダである肝鎌状間膜が見られ、肝臓を2葉に分けている。

・下大静脈の左前方にある心臓による浅い凹みを心圧痕という。

【前 面】

肝鎌状間膜の付着部を除いて腹膜に覆われている。

・上面からの続きの肝鎌状間膜が下方に走り肝臓を右葉と左葉に分けている。

・大部分は横隔膜に接している。

横隔膜を介して、右側では胸膜(肋骨横隔洞)および第6~第10肋骨、左側では第7~第8肋軟骨の高さとなる。

・前面中央部は剣状突起の後方に位置する。

・右側前面は第7~第11肋骨の高さにあたり、横隔膜を介して右および胸膜と接する。

 

■臓側面(下面)■

・一部(肝門肝円索裂胆嚢窩)を除いて腹膜に覆われている。

・全体的に凹面となるが、局所的には他の臓器が接する陥凹部(圧痕)が見られる。。

  胃圧痕十二指腸圧痕結腸圧痕腎圧痕副腎圧痕

・中央部は左右に深く陥凹し、門脈固有肝動脈、肝管、神経、リンパ管が出入りしている(肝門

  肝門肝十二指腸間膜によって十二指腸上部と結合され、その中を門脈固有肝動脈総胆管が走っている。

肝門の左右を矢状位に2本の溝(右矢状窩)が走り、肝門とともにH字形を呈する。

右矢状窩の前方は胆嚢を入れる胆嚢窩、後方は下大静脈を入れる大静脈溝となっている。

矢状窩は中断しないで走り、前方には臍静脈溝肝円索切痕の続き)、後方は静脈管窩が見られる。

肝臓・臓側面-1
肝臓・臓側面-2
肝臓・臓側面(模式図)

  

肝臓の区分の仕方には、主に解剖学的に左右の肝葉に分ける方法と血管の機能を中心にしてより細かく区分する2通りの方法がある。

■解剖学的区分■

・「この区分は肝臓自体の働きとは無関係とされている。」(日本人体解剖学)

「日本人体解剖学」では右葉を以下のように3部に細かく分けている。

  

境界:前面においては縦に走る肝鎌状間膜、下面では左矢状窩が2葉の境界となる。

右葉、左葉(色分け)
肝臓(前面)
臓側面の部位

 

■機能的区分■

・ChatGPTに「肝臓の機能的区分の右葉と左葉の比率は?」と聞いたところ「2:1」との回答であった。

      

   
肝門裂 門脈水平面?    

 

【3分割線】

左肝静脈を境界として縦に4区分され、それに左右に走る門脈固有肝動脈胆管を基準により細かく分けられる。

・右葉と左葉の境界はカントリー線横隔面において胆嚢窩下大静脈を結ぶ)で解剖学的区分(肝鎌状間膜)とは異なる。

尾状葉は両葉に属さない独立したものとみなされ、3部に区分されることがある(ヒーリー・シュロイの分類)。

  

肝区域とカントリー線
肝区域と肝静脈
肝区域と門脈など
肝区域と脈管

  

  

 
肝臓と膜
 

 

以下肝細胞の働きを簡単に記す。

1. 代 謝

  食べ物から吸収された栄養(糖・脂肪タンパク質)を処理・貯蔵・変換します。

  変換:ブドウ糖グリコーゲンに変換して貯蔵

2. 解 毒

  体にとって有害物質(アルコール、薬、アンモニアなど)を分解・無毒化する。

3. 胆汁の生成

  コレステロールやビリルビンヘモグロビンの分解産物)などから胆汁を生成して胆嚢に輸送する。

4. 血液中の成分の合成

  アルブミン(血中タンパク質)や血液凝固因子を合成している。

 

【その他の細胞】

肝臓を構成する細胞のメインは肝細胞となるが、その他として以下のような構成要素として挙げられる。

 
名 称
解 説
1
クッパー細胞

 肝臓の免疫細胞として異物、細菌、老廃赤血球の貪食処理を行う。

 数:肝臓全体の15%前後(by ChatGPT)

2
肝星細胞
 類洞と肝細胞の間(ディッセ腔)に存在、ビタミンAの貯蔵など、
3
類洞内皮細胞
 類洞を構成する細胞で、一般的な内皮細胞(endothelial cell)とは異なり連続しておらず多数の小孔(fenestration)が見られる。
4
胆管上皮細胞
 胆管壁を構成する細胞
5
その他
 免疫細胞(T細胞、NK細胞など)、肝前駆細胞、線維芽細胞様細胞、血管内皮細胞(門脈、肝動脈など)

 

【動 脈】

固有肝動脈 総肝動脈の枝の1つで肝門で右枝、左枝に分岐して肝臓の中に入る。

 

【静 脈】

以下が肝臓を流れ込む静脈の大きな流れとなる。

 
小葉間静脈から中心静脈
肝小葉と脈管
 

 

【リンパ管】

 肝臓に出入りするリンパ管(リンパ系)は、肝臓の重要な排出経路の一つで、体内で最もリンパを多く産生する臓器でもある。(全体のリンパ産生の約20〜50%と言われている)。参考:ChatGPT

 ・浅層リンパ管 ・深部リンパ管

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅰ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅱ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅲ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅳ

 

【神 経】

 交感神経:腹腔神経叢からの神経線維

 副交感神経迷走神経、前・後迷走神経幹から分岐した線維が、肝臓へ向かう肝枝として肝神経叢を形成

 
自律神経系の分布
迷走神経(胸部・腹部)
 

 

【肝 管】

右肝管は肝臓肝の右葉から胆汁を、そして左肝管は左葉から胆汁を集めて肝臓の実質を出て1つの総胆管となって肝門を出る。

 

あ行
 胃圧痕
さ行
 臍 裂
さ行
 繊維付属
は行
 尾状突起
 右門裂  左 葉  線維膜  尾状葉
 右 葉  十二指腸圧痕  臓側面  左胆管
 横隔面  主門裂  総胆管  左尾状葉胆管
か行  肝円索切痕  静脈管索
た行
 大静脈溝  副腎圧痕
 肝円索  静脈管索裂  胆嚢窩  方形葉
 肝円索裂  小網隆起  中心静脈  
 肝区域  小葉間静脈   ま行  右胆管
 肝細胞板  小葉間胆管 な行  乳頭突起  右尾状葉胆管
 肝小葉  小葉間動脈    無漿膜野
 肝 門  食道圧痕        
 肝 葉  心圧痕        
 グリソン鞘  腎圧痕        
 グリソン被膜          
 結腸圧痕